犬は色盲だと聞き、とても寂しくなった一福です。犬が見ている世界は、カラフルでなくていいから、明るい世界であって欲しいと願っています。
さて。
今回は、「盲導犬は信号の色が判断できない?!横断歩道で伝えてる事とは?」についてお話いたします。
私は交通量の多い交差点で迷わず進んでいく盲導犬を見たことがあったのですが・・・あれは何を見て判断していたのでしょうか。
盲導犬は信号の色が判断できないの?
「盲導犬は信号の色を判断できる。」
これは盲導犬に関してよくある誤解の一つ。もしかしたら、あなたもそう思っているのではありませんか?
犬は色盲なので信号機の赤・青・黄色を判断できません。賢い盲導犬と言えど、同じ犬なので色の判断は出来ません。
信号を渡るかどうかを判断しているのは、犬ではなくユーザーさんなんです。
音のなる信号機では「進め・止まれ」の判断は簡単ですが、街にある多くの信号機は音無しです。なので、盲導犬ユーザーさんは自分の耳や感覚を頼りに、車や周囲の人の動きに注意し横断できるかどうかを判断しています。
では、信号の色を判断できない盲導犬は、どうして信号の前で止まるのでしょうか?何を見て止まっいるのでしょうか?
次に、盲導犬が横断歩道で止まる理由についてお話していきます。
盲導犬はどうして横断歩道で止まることができるの?
盲導犬が横断歩道で止またのは、信号の色が赤だからではありません。そこに段差があり、道に分岐がある事をユーザーに伝えるために停止したのです。
盲導犬の基本的なお仕事は次の3つです。
- 障害物や危険物を避ける
- 曲がり角を知らせる
- 段差を知らせる
信号の手前でピタリと止まったは信号の色が赤だからではなく、そこに段差があるから、そこが道の分岐点だからなんです。
信号の色が青になって歩き出したのは、青になったからではありません。盲導犬ユーザーさんが、GOの指示を出したからです。
「じゃあ、ユーザーさんがGOといえば、信号の色が赤でも横断歩道を渡るの?!」
待ってましたよ!その質問♪それはとても重要なお話ですので、次で解説していきます。
盲導犬は信号の色が赤でも横断歩道を渡るのか?
盲導犬ユーザーさんが信号のある交差点に立ちます。ここの横断歩道は盲人用信号機では無いので、車や周囲の音だけを頼りに横断しなければなりません。
この時、信号の色は赤。
ですが、車が行き交う気配はなく周囲に人の往来もない場合、ユーザーさんはどう判断すると思いますか?
おそらくこの場合だと、横断歩道を渡っても安全だと判断する可能性は高いと思います。そして、安全だと判断しユーザーさんがGOサインを出せば、盲導犬は信号の色が赤でも横断するんです。
逆に、ユーザーさんがGOの指示を出しても、犬が危険だと判断すれば信号の色が青でも絶対に渡りません。信号の色に関係無く、犬が危険だと判断した場合は渡らないんです。
これを「利口な不服従」と言います。
この「利口な不服従」は、盲導犬の訓練の中でも教えるのが最も難しいと言われますが、盲導犬ユーザーを危険から回避させる上でとても重要な訓練です。
長くなりましたので、最後にまとめておきます!
まとめ
盲導犬は信号の色が判断できないの?
⇒できません。横断歩道を渡るかどうかはユーザーさんが判断し指示を出します。
盲導犬はどうして横断歩道で止まったの?
⇒そこに段差があるから。
⇒そこが道の分岐点だから。
盲導犬は信号の色が赤でも横断歩道を渡るの?
⇒ユーザーさんが安全だ判断し、犬も同じように安全だと判断すれば信号の色が赤でも渡るでしょう。逆に信号の色が青でも、犬が危険だと判断した場合は絶対に渡りません。
いかがでしたか?盲導犬は信号の色は判断できないけれど、危険かどうかの判断はできる事がわかりました。
いくら頼もしい盲導犬が一緒でも、横断歩道はものすごく神経を使う場所だと思います。信号で立ち止まっている盲導犬ユーザーさんを見かけた時はぜひ声をかけてください。
「青に変わりましたよ」
「一緒に渡りましょう」
といった一声があると安心ですね!
「そう簡単に言うけど、自分から声かけづらいな・・」
「助けてくれって頼まれたわけでもないのに・・・」
以前、盲導犬の勉強会に参加した時のことですが、盲導犬ユーザーさんが
「私達(目の不自由な人)は助けが必要でも、どっちを向いて助けを頼んで良いのか解らない」
とおっしゃっていました。
- 助けが必要なら、自分から声をかけて来るだろう。
- こちらから声かけて、断られたら嫌だ。
- お手伝いしましょうか?なんて、逆に失礼なんじゃないか。
私は「声をかけない言い訳」をたくさん持っていたのですが、この言葉を聞いてハッとしました。
目の不自由な方々は助けが要らないんじゃなく、頼める人がどこに居るのかさえ解らない状況なんです。言い訳ばかりして、体裁を気にしていた自分がとても恥ずかしかった・・・
「何かお手伝いしましょうか?」
確かに勇気のいる一言ですが、次は思い切って声をかけてみようと思っています。あなたも勇気を出して、手を差し伸べてあげませんか?
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