こんにちは。私は犬バカか、それとも親バカか。こんな事を真剣に考え、結局どっちだっていい事に気が付いてしまった一福です。あの時の私、時間を返せっ!!
さて。
わが家で預かっていた盲導犬訓練犬のパピーですが、3週間の里帰りを終えて盲導犬訓練所に戻りました。
訓練所に戻る時のパピーの様子が嬉しそうなので、お返しする時はいつも「盲導犬協会って良いとこなんだろうな~」と感心しています。
今回は「里帰りが終って盲導犬訓練所に戻るパピー」の様子をお話ししたいと思いますので、最後までお付き合いください。
里帰りが終って盲導犬訓練所に戻るパピー!!
里帰り前日
記念にパピーの手形(足形?)を取った後、娘2人が主催のお別れ会をしてくれました。パピーへのお礼の言葉や感謝状を手渡しましたよ♪
パピーはとっても嬉しかったんでしょうね~。受け取ったお手紙をこれでもかっ!て程に噛み散らかしていました・・・即座に没収です。
パピーウォーカー最終日(約一年前)にもお別れ会をしたのですが、その時とは別人のようなパピーで、娘たちのありがたぁいお話をジッと聞いていました。
盲導犬の訓練をやってきただけのことはあるな~と改めて感心しました。
子供たちとの別れ
お別れ当日の朝。
普段ならテーブルの下に潜ってウトウトしてるパピーですが、今日は玄関までやってきて子供たちをお見送り。いつもと違う雰囲気に気が付いてたみたいです。犬って人の心が読めるのでしょうか・・・すごいですよね。
涙をこらえパピーに抱きつく娘たちは、パピーからなかなか離れられませんでした。
「元気で頑張るんだよ!」と力強くパピーの頭を撫でた息子は、何かを振り切るように玄関を飛び出していきました。
子供たちはそれぞれのやり方で、パピーとお別れをしました。パピーも子供たちも、本当に大きく逞しくなったなぁと感じる瞬間でした。
これからパピーを盲導犬訓練所にお返しします~
盲導犬訓練所への道中
車内ではずっと眠っていたパピーですが、訓練所の近くまで来るとガバっと立ち上がり外の様子を眺めていました。
何で盲導犬訓練所の近くだってわかるんだろう?臭いがするのかな?
道中、盲導犬協会の赤いTシャツを着たスタッフが訓練犬と歩いているのが見えました。パピーは振り返ってスタッフと犬を見つめています。そわそわと落ち着きません。
そして、ついに盲導犬協会の建物が見えた瞬間、パピーは椅子の上に立ち上がります。嬉しそうなパピー♡
こんな時、いつも私は少し残念な気持ちになります。
この子たちにとっては、一般家庭に暮らすより盲導犬協会の方が良いんだろうなって。パピーにとって、ココが自分の居場所なんだろうなって。
そんなこと思うのはバカげてるかもしれないけれど、私はいつもムダな敗北感を味わいます。
「さぁ、着いたよ!」
私の声でパピーのテンションが上がりました。
帰って来た!
皆に会える!
訓練士さんに会える!
パピーの喜びが体全部から伝わってきます。この子が皆に愛されていて、毎日の訓練を楽しんでいて、そして何よりも盲導犬協会が大好きなことが伝わってきます。
盲導犬訓練所に帰ります
車のドアを開けると、勢いよくドアを飛び出したパピー。
一緒に引っ張られた私は、飛び降りた瞬間、足をグネりました・・・。ほんまに訓練受けてたんかぃ?!早く帰りたいのはわかるけど、お母さんはそんなに素早くは動けないんだよ。
パピーの興奮が伝わってきます。もう居ても立っても居られない感じでした。
訓練士さんとのご対面では、それはもう嬉しさのあまり、腰から下が飛んでくんじゃないかってほどに尻尾を振っていました。本当は飛びつきたいくらい興奮してるんだろうけど、ピンピンしながらも決して飛びつきませんでしたよ。さすが盲導犬(になりそうだった犬)デス!!
訓練士さんの手にリードが渡った瞬間、パピーは直ぐに施設内へ入っていきました。名前を呼んだけど振り返ることなく・・・一目散に入っていきました。
尻尾プリプリです。むっちゃ嬉しそうです。
改めて
盲導犬協会って、ムッチャ良いとこなんやろうな。
でもさ、最後にちょっとくらい、コッチを見てくれてもいいんじゃない?!
施設の中の様子
施設に入ったパピーに対して、訓練犬たちの中には吠える子は1匹もいませんでした。
「おかえり!」
「しばらく見なかったけど、どこ行ってたん?」
そんな声が聞こえてきそうです。パピーはお隣さんと鼻を近づけ、久々の再開を喜んでいます。どの子も笑っています。スマイルです。尻尾をふってとっても嬉しそうです。
これで良いんだよね。
パピーは今、幸せだ。
溢れそうになる涙をこらえて、私は大きな声で伝えました。
ありがとう。
バイバイ。
またね。
まとめ
パピーの里帰り中の3週間、1日も休まず家族揃ってお散歩しました。朝は朝6時から7時まで、夕方は陽が落ちる頃から1時間、家族全員で歩きました。
家族5人がかりで1匹の黒ラブを散歩させているのは珍しい光景で、いろんな方に声をかけてもらいました。
「朝早くから偉いね~」
「幸せなワンちゃんだね~」
暑かったのでアイスクリームを食べながら歩きました。
学校であった事やこれからやりたいことを話して大笑いしながら歩きました。
そして毎日、これが最後のお散歩だと自分に言い聞かせて歩きました。
パピーは私たちに家族5人で一緒に過ごす時間をプレゼントしてくれました。子供たちの成長と共に生活リズムがバラバラになりかけた家族を、パピーが繋いでくれたんです。
パピーのおかげで、家族そろって沢山歩けました。
スマホを手放し、子供たちとおしゃべりして過ごしました。
自分たちだけなら絶対に行かない山登りもできました。
私たちはいつも笑顔でした。
ありがとう、パピー
あなたがどこに行っても、私はストーカーの様にあなたのことを見守り続けます。一生、見守り続けます。だから、安心してあなたらしく生きていってね。なにも心配せず、今のままで過ごしていってね。あなたにもしものことがあれば、いつでも私は直ぐに駆け付けます。どこに居ても。たとえフランスに居たとしても。
あなたの幸せを心から願ってます。
盲導犬候補という大切な命を私たち家族に預けてくださった盲導犬協会に、感謝の気持ちでいっぱいです。改めてお礼を伝えたいと思います。
本当にありがとうございました。
これからも私は盲導犬協会を応援します!
*わが家の盲導犬候補犬は、現在(2020年10月)介助犬の訓練中です。

